自動車の中にいるとき、その自動車に落雷があった場合、金属でできた箱に電流を流すと、電流はその箱の表面を流れます。
電流は表面を伝って流れ、金属の箱の内部の空洞(ファラデーゲージ)のところへは流れない。
そのため、自動車の中にいる人は落雷があっても、大丈夫なのである。
ただし、金属はある程度丈夫であることが必要で最低3mm程度の肉厚が必要である。
薄い鉄板は雷の直撃した場合突き抜けてしまう。
よって、落雷の危険性がある時は車外に出ずに箱の金属(車体)に触れていないことです。
できるだけ、車体から離れていること、体の一部が導電性のもので車体と接触していない。
自動車の中にいるからといって、自動車の壁に寄りかかっていると感電する恐れがある。
雷の電流が、車体の内部で空中放電することも、ありえるが通常考えられるのは、雷電流が車体表面からタイヤを伝わって地表へ流れる。
このときのタイヤなどのゴムは絶縁体とはならず、ゴムのタイヤの表面を伝わって電流が地面に流れる。
しかし、安全だと言っても金沢工業大の饗庭教授は、フロントガラス付近に無線機の受話器を置いたダンプカーの運転席に落雷し、
車内を焼いた事故をきっかけに実験を開始。
ダンプカー運転席の模型を作り、フロントガラス付近に金具をつり下げ、外側から雷に見立てた千五百キロボルトの高圧電流を流した。
十年近くに及ぶ数千回の実験の結果、雷がフロントガラスを突き破って金具に達することもあった。
落雷が屋根や車体部分にあっても、電流が車内に入ることはなく、
饗庭教授は「車の屋根や車体部分の落雷では電流が金属の表面を伝って地面に流れるが、フロントガラス部分からは、車内の金属に向かうことがあると証明された」と結論づけた。
同教授は「北陸では、斜めや横からの雷も少なくなく、窓から入り込むこともある」と言う。
また、日本大気電気学会によると、金属に囲まれた車内には電流が入り込まないが、フロントガラス近くに金具を置けば、電線を通して電流を車内に引き込むのと同じになるという。
つまり、フロントガラス付近に金属製品が置かれていた場合には、
雷が窓ガラスを貫通し感電する危険があるという事であり
強力な落雷の場合には、フロントガラスを砕き、ボンネットに大穴を開け、タイヤを溶かしてしまう。